ナチュラルだから安全とは限らない! 精油の注意事項について

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エッセンシャルオイル(精油)は自然の植物から得られるオイルであり、それ自体はとてもナチュラルなものです。しかし、精油は数百キログラムの植物からわずか数リットルだけを抽出するため、自然の状態よりもかなり濃縮されています。

ナチュラルだからお肌につけても大丈夫、というわけではありませんし、まして飲んだりすると体に大きな負担をかけることにもなりかねません。

安全にアロマテラピーをお楽しみ頂くために、以下の点にご注意ください。

目次

最低限守るべき精油の注意事項

(公社)日本アロマ環境協会では、同団体の認定する「AEAJ表示基準適合認定精油」に対して、以下の注意事項の掲載を義務づけています。

使用上の注意事項
  1. 原液を皮膚につけないでください。
  2. 絶対に飲用しないでください。
  3. お子様の手の届かないところに保管してください。
  4. 火気には十分ご注意ください。

以下でひとつずつ見ていきましょう。

1. 原液を皮膚につけないでください。

精油は皮膚に直接つけてはいけません。精油はナチュラルなものとはいえ、自然の植物の状態よりも非常に高濃度に濃縮されているからです。

精油がお肌に使えないとすると、「アロママッサージはどうやるの?」と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、マッサージでお肌に使用する場合は、必ずホホバオイルやスイートアーモンドオイルなどのキャリアオイル(植物油)で1%以下に希釈して下さい。

キャリアオイルは揮発性の高い精油とちがって成分的に安定しており、お肌に直接塗ることができます。

ラベンダーとティートリーの精油は例外的に原液を肌につけることができると言われていますが、お肌の弱い方は避けた方が無難です。

2. 絶対に飲用しないでください。

精油の飲用はもっとも危険な行為です。絶対に飲まないようにしてください。

消化器官は、お肌の表面などと違い、ダイレクトに精油を吸収してしまいますので、量によっては重篤な中毒症状を引き起こす可能性があります。

海外では医師の指導のもとに精油を内服するケースがありますが、容量や方法を誤ると、肝臓や腎臓に重大な影響を与える場合があります。一般のご家庭では絶対に避けてください。

3. お子様の手の届かないところに保管してください。

お子様との関係でもっとも危険なのは、精油の誤飲です。特に海外では、子供の誤飲による重症化事例が多数報告されています。

精油は見た目や香りがジュースなどを連想させてしまいますので、特に乳幼児などが口に入れないように注意が必要です。オイルのついた手で目をこすってしまう場合もあるかもしれません。

精油は必ずお子様の手の届かないところに置いてください。同時に、熱くなるような器具(アロマポットやアロマライトなど)も、お子様の手の届かないところに置いてお使いください。

4. 火気には十分ご注意ください。

精油が他のオイル(スキンケア用の植物油や食用のサラダ油など)ともっとも異なる点は、「揮発性」(きはつせい)があることです。つまり、放っておくと、勝手に蒸発する性質があるのです。

ガスコンロなどの炎のそばに置いておくと、引火して火事になる危険性もあります。火の近くに精油瓶を放置したりしないよう、十分注意してください。

電球を使うアロマライトには、お皿に直接オイルをたらすものも多くありますが、電球で温めた陶器の温度くらいであれば、火事になる心配はまったくありません。なお、キャンドルの火を使うアロマポット(アロマバーナー)の場合は、お皿に必ず水をはるようにしてください。

まとめ

エッセンシャルオイルは自然由来のナチュラルなものですが、濃度が非常に高いため、注意して取り扱う必要があります。原液は皮膚に直接塗らず、マッサージで使用する際にはキャリアオイルで適切に希釈してください。
また、精油は絶対に飲用してはいけません。子供の手の届かない所に保管し、火のそばから離しておくことも重要です。

著者プロフィール
元AEAJアロマテラピーインストラクター。エッセンシャルオイルの貿易実務に20年以上たずさわってきました。海外のアロマの文献などもチェックしています。

参考文献:
「アロマテラピーのための84の精油」ワンダ・セラー著 フレグランスジャーナル社
「精油の安全性ガイド(上巻、下巻)」ロバート・ティスランド著 フレグランスジャーナル社
「アロマテラピー事典」パトリシア・デービス著 フレグランスジャーナル社
「エッセンシャルオイル総覧2007」三上杏平著 フレグランスジャーナル社
「アロマテラピー検定テキスト(1級、2級)」鳥居鎮夫監修 社団法人日本アロマ環境協会
「アロマテラピーの事典」林真一郎著 東京堂出版
「キャリアオイル事典」レン・プライス著 東京堂出版
「アロマテラピー図鑑」佐々木薫監修 主婦の友社
「女性によく効くアロマセラピー」鮫島浩二著 主婦の友社
「アロマテラピーの事典」篠原直子著 成美堂出版
「はじめてのアロマテラピー」佐々木薫監修 池田書店
「はじめる、楽しむ アロマテラピー」石原裕子監修 永岡書店
「アロマテラピーバイブル」塩屋紹子監修 成美堂出版

アロマテラピーは、病気の治療を目的とした医療行為ではありません。また、当サイトの情報は、精油の医学的な効能、効果を保証するものでもありません。精油を使用する際には、製品についての注意事項をよく読み、自己責任の下、正しくお使い下さい。妊娠中の方、病気のある方、健康状態のすぐれない方は、必ず事前に医師にご相談下さい。 なお、一般的な呼称に合わせて、エッセンシャルオイル(精油)をアロマオイルと表記する場合もあります。

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