海外では死亡例も! 本当に怖い精油の誤飲

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エッセンシャルオイル(精油)のボトルのラベルやパッケージには、ほぼ必ず、「絶対に飲まないでください」という注意書きがあります。

香りを嗅ぐだけであれば、精油は安心してお使い頂けますが、「飲む」「口にいれる」となると話は別です。精油の成分の中には、ごく少量でも中毒症状を引き起こすものがあり、たいへん危険なのです。

以下に、精油の飲用の危険性について、見ていきましょう。

目次

自然のものだから体に良い、とは限らない

エッセンシャルオイル(精油)は自然由来のものですが、だからといって体にも安全とは限りません。数十~数百キログラムの原料植物から、わずか数キロの精油しか抽出できないわけですから、自然の状態よりもはるかに高濃度に濃縮されているのです。

例えば、ペパーミントの精油1滴は、ペパーミントのハーブティー26杯分に相当すると考えられます。たった1滴と考えてはいけません。

精油の吸収スピードは早い

消化器官から精油が吸収されるスピードはきわめて早く、多くの場合で数時間以内、早い場合で30分で中毒症状が発生した事例もあります

特に注意が必要なのは、乳幼児の誤飲

精油の飲用に関して、特に気をつけなければならないのが、乳幼児の「誤飲」です。 小さい子供はなんでも口に入れようとしますし、形もジュースなどに似ていることから、誤飲が起こりやすいのです。

2016年、アメリカの中毒事故管理センターには、2万件もの精油に関する問合せの電話が寄せられましたが、そのうちの13000件が6才以下の子供についてのものでした。

体重が少ない乳幼児は、大人以上に毒物の影響を受けやすく、重症化しやすいので、精油の保管場所などには十分に気をつけなければなりません。

精油の飲用による事故の事例

以下は海外で報告された、精油の中毒事故に関する症例の一部です。
ポピュラーな精油の中でもっとも気をつけなければならないのは「ユーカリオイル」でしょう。

精油名飲用時の症例
ユーカリ5mlの飲用で、無気力と無呼吸(子供のケース)。他にも、昏睡、呼吸困難、頻脈、気管支痙攣、低血圧、発作が報告されています。
ティートリー飲用の30分以内に、眠気、混乱、運動失調、昏睡が起こることがあります。
ペパーミント症例は少ないですが、失調、昏睡、気管支痙攣が報告されています。
カンファースプーン1杯で発作を引き起こします。肝毒性も報告されています。
クローブ無気力、代謝性アシドーシス、肝毒性が起こることがあります。
ペニーロイヤル何世紀にもわたって中絶薬として使用されてきました。5-10mlの飲用で、めまい、無気力、昏睡、さらに15mlの飲用で、肝不全、腎不全、播種性(はしゅせい)血管内凝固症候群、死亡が報告されています。
ウィンターグリーン5mlの飲用で、子供にとっては致死量にあたるアスピリン7gに相当します。毒性効果はアスピリンと似ています。(耳鳴り、吐き気、嘔吐、眠気、錯乱、速い呼吸など)
参考:メリーランド中毒事故管理センター

数滴の飲用だったら大丈夫?

飲み物に数滴たらして飲むと健康に良い、といった話は、定期的に話題にのぼります。

日本でもティートリーオイルが花粉症に良いと話題になったことがありますし、アメリカでも100万人のフォロワーをもつインフルエンサーが、水に精油をたらして飲む方法を紹介して話題になりました。

確かに、大量の水で希釈すれば、濃度としては非常に低くなるという考え方もあります。しかし、精油は「オイル」であり、水にほとんど溶けないということも忘れてはいけません。

たとえ数滴でも、精油は原液のまま胃壁から吸収されることになりますし、その際の刺激は、肌の上で感じるものよりもずっと大きなものになるでしょう。

多くの精油は、飲んだ場合に口内刺激、吐き気、嘔吐、腹痛を引き起こすと言われています。種類にかかわらず、また量にかかわらず、精油の飲用は控えるようにしてください。

誤飲が起こってしまったら

たとえ気をつけていても、いくつかの不運や勘違いなどが重なり、誤飲が起こってしまう場合もあります。もし誤飲が起こってしまったら、すぐに行動を起こしましょう。
(何を、どのくらい飲んだかが分かると、対処がしやすくなります。)

1. 医療機関を受診する/救急車を呼ぶ(電話番号:119)

すでに症状が出ているなど、緊急性が高い場合は、迷わず医療機関に駆け込むか、または救急車を呼びましょう。

2. こども医療電話相談(電話番号:#8000)

病院の診療を受けた方がいいか判断に迷ったときは、こちらで小児科医師や看護師に相談できます。全国統一の短縮番号にかけると、自動的に都道府県の相談窓口に転送されます。

対応時間は自治体により若干異なりますが、主に平日の夜間(19時から翌朝)と、休日(9時から翌朝)になります。

3. 公益財団法人日本中毒情報センター 中毒110番 (電話番号:072-727-2499)

医薬品、化学物質(たばこ、家庭用品等)、動植物の毒などによる中毒事故について、実際に事故が発生している場合に限り、薬剤師に相談できます。365日24時間対応。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
エッセンシャルオイル(精油)の飲用は非常に危険です。特に乳幼児には重大な影響を及ぼす可能性があります。
精油はもともと自然由来のものですが、自然界での状態に比べて非常に濃縮されており、飲用すると中毒症状を引き起こす場合があります。
精油は子供の手の届かない場所に保管するようにし、もし子供の誤飲が発生してしまった場合には、すぐに医療機関や相談窓口に連絡しましょう。

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