イランイランの効能を徹底解説!甘く官能的な香りでロマンチックな雰囲気を演出

イランイラン精油
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イランイランはフローラル系の香りね。とても濃厚!

そうですね。ロマンチックなムードを盛り上げる香りとしても有名です

私は結構好きな香り。女性には好まれそうな香りよね

そうですね。人気は高いですが、好き嫌いが分かれる香りでもあります。以下で詳しくみていきましょう

目次

イランイランってどんな精油?

イランイラン

どんな香り?

甘く陶酔させる、エキゾチックでフローラルな、強い香り

どんな植物?

イランイランは、マダガスカルやフィリピン、インドネシアなど、熱帯気候の低地に育つ常緑高木。野生では10メートルを超える高さにまで成長しますが、花を収穫するために栽培する場合は2メートルほどの高さで育てます。ピンクやむらさき、黄色の花を咲かせますが、黄色の花から蒸留した精油が品質が高いと言われています。 5センチほどの細長いカールした花びらが、下向きに垂れ下がるようにして咲きます。

イランイランという名前は、 「花の中の花」を意味するマレー語の「アランイラン」に由来しています。イランイランの濃厚な花の香りは古くから催淫効果があると言われており、インドネシアでは新婚のカップルが夜を過ごすベッドにイランイランの花びらを散らす風習があるそうです。

イランイランは香料の木としても知られており、南洋地方ではココナッツ油にイランイランの精油を混ぜたもので髪を整えることがあります。

エピソードや歴史、豆知識など

イランイランの精油は、蒸留過程において5段階の品質に分けられます。エクストラが最も高級で、蒸留の最初の2時間以内に得られた精油です。次いで、ファースト、セカンド 、サード、そして総合的なコンプリートに分けられます。

イランイラン精油のプロフィール

イランイラン

エッセンシャルオイルデータ(学名、成分など)

英名イランイラン
和名イランイランノキ
学名Cananga odorata
科名バンレイシ科
抽出部位
抽出方法水蒸気蒸留法
主な産地コモロ、マダガスカル、レユニオン島
主な成分ゲルマクレンD、β-カリオフィレン、ファルネセン、安息香酸ベンジル、酢酸ファネシル、メチル-p-クレゾール、サリチル酸ベンジル、酢酸シンナミル、ファルネソール、リナロールほか
主な効能、効果抗うつ、鎮静、催淫、血圧降下、抗菌、消毒、抗炎症、精神高揚、ホルモン活性
香りの系統フローラル系
香りのノートミドルノート

イランイラン精油の主な成分と作用

イランイラン精油の成分分析表
データ引用元:
Essential Oil Extraction of Cananga odorata Flowers using
Hydrodistillation and Steam-Water Distillation Processes

ゲルマクレン

ゲルマクレンは、イランイラン精油の香りに深みを与える成分です。やわらかく穏やかな香りが、ストレスや不安で高ぶった心を鎮め、自律神経のバランスを整えます。また、炎症を抑える作用も期待され、肌を健やかに保つサポートもしてくれます。心と体の両方にやさしく寄り添ってくれる成分です。

β-カリオフィレン

β-カリオフィレンは、スパイシーさと甘さが調和した香りを持つ成分です。特に筋肉の緊張を和らげたり、炎症を抑えたりする効果に優れています。また、不安やストレスをやわらげてくれるので、リラックスしたいときに良い成分です。

安息香酸ベンジル

安息香酸ベンジルは、肌を清潔に保ち、トラブルを防ぐ力を持っています。抗菌・防腐作用があり、肌を守るバリアのような役割を果たします。また、ダニや害虫を寄せ付けない効果も確認されています。香りの持続力を高める働きもあり、イランイランの豊かな香りを支える陰の立役者です。

リナロール

リナロールはフローラルな香りを持ち、イランイランの華やかさを引き立ててくれます。リラックス効果が高く、不安や緊張をほぐし、安眠をサポートしてくれます。また、抗菌・抗ウイルス作用もあり、空間をクリーンにしたり、肌を健やかに整えたりすることにも役立ちます。

酢酸ゲラニル

酢酸ゲラニルは、甘さの中に爽やかさが感じられる香りを持ち、心をふわっと軽くしてくれる成分です。ストレスを感じたときや気持ちを切り替えたいときに、前向きな気分へと導いてくれます。肌をしっとりとなめらかにし、皮脂のバランスを整える働きがあるため、スキンケアにも役立ちます。

ファルネソール

ファルネソールは、香りの持続力を高める働きがあります。抗菌・消臭作用に優れており、肌を清潔に保ち、ニキビや肌荒れを予防してくれます。エイジングケアにも効果があり、シワやたるみのケアにもよく利用されます。

イランイランの効能や効果

イランイラン

こころに対する効能

抗うつ作用、鎮静作用

  • 怒りや不安を抑え、ストレスを和らげる
  • ショックやパニック、極度の緊張などの感情をときほぐし、リラックスさせる

からだに対する効能

血圧降下作用、催淫作用、鎮静作用、消毒作用

  • 血圧を下げ、動悸や過呼吸を抑える
  • ホルモンバランスを整える
  • 催淫作用があり、インポテンツを改善する

肌に対する効能

消毒作用

  • 皮脂のバランスを整える
  • 脂性肌にも乾燥肌にも有効
  • 頭皮を刺激し、ヘアの成長を促す

専門家からのアドバイス(注意点なども)

イランイラン

元AEAJアロマテラピーインストラクターで、20年以上アロマ業界にいた私から一言

イランイランは非常に強い香りの精油のため、人によって好き嫌いが大きく分かれるようです。どちらかというと女性に好まれやすい香りといえます。

香りが強いため、量が多いとまれに頭痛や吐き気をもよおすことがあります。 1滴でも強く香りますので、使用する量は少なめを意識しましょう。特にお風呂場などの狭い空間では、香りも強くなりがちですので気をつけましょう。

敏感なお肌を刺激する場合があります。特に炎症を起こした肌にはあまり適しません。マッサージでお使いの場合にはご注意ください。

アロマセラピストコラム(体験談やおすすめの楽しみ方)

アロマセラピストの知人に、体験談やおすすめの楽しみ方、レシピなどを聞きました

とても濃厚な芳香を放つイランイラン。はじめてこの香りを体験する人は、多くの場合、「とても好き」か「とても嫌い」かで二分されます。ただ、はじめは「嫌い」と豪語していた人でも、なぜかこの香りに馴染み始めると最後は「大好き」になっていくことがとても多いのです。このことがイランイランの持つ香りの魅力、アロマの奥深さをよく表していると思います。

その日の気分でとても気に入っていた香りがある日突然好みではなくなったり・・・そんなことがアロマテラピーの世界にはよくあること。確かに、遮光ビンに鼻をつけて香りを確かめるだけなら、イランイランはとても強烈な香りにしか感じられません。でも、少量のキャリアオイルか、またはアロマポットに1滴精油を落として、もう一度香りを確かめてみると、イランイランの香りの良さが分かるはずです。

シャネルの5番やジバンシーのアマリージュといった香水にも使われることで有名なイランイランですが、個人的には、この精油でバスソルトを作ってお風呂に入るのが好きです。もちろんイランイランだけでつくってもいいのですが、マンダリンとブレンドして甘い香りを楽しんだり、ラベンダーとのブレンドで気持ちをリラックスさせるのに活用したり・・・・。落ち込んだ日や特別にうれしい日などは、ローズとの贅沢なブレンドを楽しんだりもしています。

個性の強い香りですが、柑橘の精油(オレンジベルガモット)や、花から採れる精油(ジャスミンローズ)とも相性がいいので、もしお手持ちの精油があれば1度おためしください。

イランイランのおすすめの使い方

お部屋のムード作りに

ロマンチックな気分を高めたいときは、アロマポットやアロマライトなどの器具を使い、お部屋に香りを広げます。オレンジグレープフルーツなどとブレンドしても良いでしょう。強く香りますのでイランイランは1滴からスタートしてください。

不安や恐怖を感じるときに

ティッシュやハンカチに精油を1滴染み込ませて、香りを嗅ぎます。出先などでも簡単に香りを楽しむことができます。

女性特有の悩みに

ホルモンバランスはストレスとも密接な関わりがあります。体のバランスの乱れを感じた時は、入浴の際にイランイランを1滴混ぜてみてください。ラベンダーフランキンセンスローズウッドをブレンドしても良いでしょう。

イランイランは非常に強い香りのため、 1滴だけで様子をみてください。入れすぎると頭痛や吐き気の原因になります。気分が悪くなったときは、すぐに使用を中止してください。

イランイランと相性の良い精油

エッセンシャルオイル

スイートオレンジグレープフルーツサンダルウッド、シトロネラ、ジャスミンネロリパチュリローズベルガモット、メリッサ、ラベンダーレモンローズウッド


いかがでしたでしょうか?
毎日の健康に、そして美容に、アロマテラピーをぜひ活用してください!

著者プロフィール
元AEAJアロマテラピーインストラクター。エッセンシャルオイルの貿易実務に20年以上たずさわってきました。海外のアロマの文献などもチェックしています。

参考文献:
「アロマテラピーのための84の精油」ワンダ・セラー著 フレグランスジャーナル社
「精油の安全性ガイド(上巻、下巻)」ロバート・ティスランド著 フレグランスジャーナル社
「アロマテラピー事典」パトリシア・デービス著 フレグランスジャーナル社
「エッセンシャルオイル総覧2007」三上杏平著 フレグランスジャーナル社
「アロマテラピー検定テキスト(1級、2級)」鳥居鎮夫監修 社団法人日本アロマ環境協会
「アロマテラピーの事典」林真一郎著 東京堂出版
「キャリアオイル事典」レン・プライス著 東京堂出版
「アロマテラピー図鑑」佐々木薫監修 主婦の友社
「女性によく効くアロマセラピー」鮫島浩二著 主婦の友社
「アロマテラピーの事典」篠原直子著 成美堂出版
「はじめてのアロマテラピー」佐々木薫監修 池田書店
「はじめる、楽しむ アロマテラピー」石原裕子監修 永岡書店
「アロマテラピーバイブル」塩屋紹子監修 成美堂出版

アロマテラピーは、病気の治療を目的とした医療行為ではありません。また、当サイトの情報は、精油の医学的な効能、効果を保証するものでもありません。精油を使用する際には、製品についての注意事項をよく読み、自己責任の下、正しくお使い下さい。妊娠中の方、病気のある方、健康状態のすぐれない方は、必ず事前に医師にご相談下さい。 なお、一般的な呼称に合わせて、エッセンシャルオイル(精油)をアロマオイルと表記する場合もあります。

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